「楽しい場所」を作り出すために生まれる
クリエイティブアイデア
アイドルブーム全盛のなかにあって、一際、個性的な活動で注目を集める5人の女の子たち。BiSの魅力はアイドルポップの枠に収まらない、先鋭的なロックマインドにあふれた楽曲へのこだわりと、徹底的に尖ったミュージックビデオに象徴される、アーティスティックなビジュアル。王道のキュートさを秘めながらも、アイドルの新たな可能性を切り開くBiSが目指している姿、そしてそれを支える“α” NEX-5Rについて語ってくれました。
ソロアーティストとして活動していたプー・ルイがアイドルグループを結成するべくオーディションを開催し、2010年11月に活動をスタートした女性アイドルグループ。現在は、プー・ルイ、ヒラノ ノゾミ、テラシマ ユフ、ミチバヤシ リオ、ワキサカ ユリカの5人で活動中。2012年7月にシングル『PPCC』でavex traxよりメジャーデビュー。10月にはアルバム『IDOL is DEAD』をリリースした。
BiS official website / 新生アイドル研究会(Brand-new Idol Society)
普通のアイドルではないけど、
ファンを楽しませたいと思う気持ちは負けない。
―BiSはアイドルグループですが、普通のアイドルグループに比べると、かなり特殊なグループですよね。
プー・ルイ:アイドルって可愛らしいイメージがあると思うんですけど、BiSはアーティスト写真で釘バットを持っていたり、音楽もカワイイ・楽しいだけじゃないロックなテイストなので、よく「変わってるね」って言われます(笑)。
—音楽もロックで、カワイイ・楽しいだけのアイドルではない、BiSらしさに繋がっていると思います。
ワキサカ:のんちゃん(ヒラノ)はバンド物の音楽がすごく好きなんですよ。
ヒラノ:はい、ミッチェル(ミチバヤシ)も好きな、嘘つきバービーさんとか八十八ヶ所巡礼さんとか。
ミチバヤシ:でも他のアイドルさんの曲も好きです。ももいろクローバーZさん、モーニング娘。さんはよく聴きますね。いろいろな方の音楽を聴くことで、それを吸収して、成長出来る気がするんです。それはもちろん音楽からだけじゃなくて見たものや感じたもの、様々な要素に日々触れるようにしています。
テラシマ:もし私たちの曲を男の人が歌ったら、モロにロックバンドの音楽になると思うんです。でも、それを私たちがつたない歌声で歌うから、ギリギリアイドルらしさもある。アイドルの要素やロックの要素、色んな要素を取り入れているBiSだからこそ、アイドル好きな人にもロック好きな人にも楽しんでもらえてるんだと思います。そういったまだ誰もやらないような新しいことに次々とチャレンジすることがBiSの「らしさ」だとも思っています。
—10月に発表されたメジャーデビューアルバムのタイトルは『IDOL is DEAD』でしたよね。既存のアイドルのイメージを更新しようとするBiSらしいタイトルでしたが、そもそもBiSにとっての「アイドルの定義」とはどういったものなのでしょう?
テラシマ:いちばんアイドルに大切なのは「みんなと一緒に楽しい空間を作ること」だと思います。アイドルとしてのイメージは他と違っても、ファンを楽しませたいと思う気持ちは一緒だし、負けたくないです。
プー・ルイ:たしかにBiSはアイドルらしくないと言われることも多くて、それはきっと、人によってアイドルに求めていることとか、アイドルとはこうだ! っていうのがいろいろあるからだと思うんです。でも、「みんなと一緒に楽しい空間を作ること」ができている限り、私たちはアイドルと名乗っていいんじゃないかと思ってます。
—では、アイドルのなかでの「BiS」とはどんな存在でありたいと考えていますか?
プー・ルイ:BiSは常に「斬新な驚き」をみんなに提供するアイドルでありたいんですよね。普通じゃつまらない、というか、みんなと楽しむためにみんなを驚かせたいというか(笑)。
ワキサカ:私とミッチェルは今年の春から加入したんですけど、やっぱりBiSが他のアイドルと違うことをしているのがカッコ良くて、オーディションを受けようと思ったんです。そして入ってみたら、予想以上に面白かったです(笑)。
ミチバヤシ:曲もそうだし、こういう囚人服みたいな変わった衣装を着ることもそうだし、ジャケット写真やミュージックビデオも、他との違いをちゃんとこだわって作るために、様々な角度から、クリエイティブなアイディアを吸収して成長しているアイドルだと思います。
写真はファンのみんなに感動や驚きを伝えるもの
—そんな音楽にもビジュアルにもこだわるBiSのみなさんですが、メンバー全員がブログを持っていて、そのブログにたくさんの写真を載せていますね。BiSさんにとって写真とは一体どういった存在なのでしょうか。
ヒラノ:写真を撮るのは大好きですね。いろいろなものを撮ってはBlogやSNSにすぐにアップしています。それは、ファンのみなさんに私たちの活動や、日々感じた感動や驚きを知ってもらいたい、と思っているからなんですが、私たちが感じてもらいたい「斬新な驚き」を最も身近に表現できるものが写真なんじゃないかと感じています。だからこそなるべく多くの写真を撮ってファンの皆さんと共有したいと思っています。
ワキサカ:アップした写真にファンの方がコメントをくださるのも、やっぱり嬉しいです。自分の感じた感動や驚きをファンの方と一緒に喜び合えるみたいで。写真は、自分たちが伝えたいことをダイレクトに伝えられる大切なコミュニケーションの一つだと思います。
普段、ブログやSNSには携帯やスマホから更新することが多いんですけれども、“α”も同じようなタッチ操作で、カメラからダイレクトにSNSに写真をアップロードすることができるし、一眼ならではの写真表現が私たちの感じた感動や驚きをよりリアルに伝えられるような気がします。
気持ちまでも伝えたいから。
―どんなとき、どんな写真をとっていますか?
ヒラノ:ライブ終了後や、楽屋での写真が多いですかね。メンバーといる時間も長いので、メンバーを撮ることが多いんです。これも楽屋で撮った写真なんですけど、ミッチェルがこんな真剣な顔!(笑) これはファンのみんなが喜んでくれると思いました。
ワキサカ:たわいもないシーンだったりするんですけど、その中でファンの皆さんがどうしたら楽しんでくれるか、どうしたら驚いてくれるかをいつも考えて撮っています。ピクチャーエフェクトを使ってアートっぽい写真を撮ってみたり、背景をぼかしたり、いろんなことをやって、BiSらしい表現を探してます。だいぶ遊びながら撮ってますけど(笑)。
—他にはどんなものを撮っていますか?
プー・ルイ:ベースがファンのみなさんとの日々のコミュニケーションにあるので、毎日の自分たちを事細かく撮影しています。移動中や食べたものが多いですね。そういうのも、よりキレイに撮れた方がいいじゃないですか! キレイとか、美味しそうとか、ブログを見てくれている方々にも、自分の感じた気持ちもちゃんと伝えたいと思いますし。この写真も、ライブ前だったんですけど、ワクワク感も相まって、すっごくキレイに撮れたと思っています。
テラシマ:あとはやっぱり5人で撮る写真ですね。ファンのみなさんにもそうですが、それと同時に、自分たちの今を残しておきたいなって思うんです。NEX-5Rって、ちゃんとした一眼カメラなのにケータイやスマホ感覚でかんたんにキレイに自分撮りができるので、わたしたちにはすごく合ってるというか、女子にはポイント高いと思います(笑)。
カメラが引き出す、BiSのクリエイティブアイデア
―“α”を使っていると様々なアイデアが浮かんでくるということですが、例えばどういったアイデアが生まれたのでしょうか。
ヒラノ:メンバー同士でもよく写真を撮り合うのですが、いつも見ているメンバーなのに、背景がぼけていつもよりカッコよく見えたり、いつも見ている景色なのに違うように見えたり、カメラを持つと自分たちの表現力がさらに刺激されていくような気がします。
ワキサカ :私がやってみたいと思ったのは、おそらくアイドル初?の自分たちが撮影した写真だけでCDジャケットを作ってみることですね。こういうかんじ、いいと思いませんか?
ミチバヤシ:あとメンバーで話していたのは、アイドルのファンの方々が「ケチャ」(アイドルを応援する降り)をやっている写真を撮ってみたいです。ステージから見えるあの光景は私たちだけで独占するのはもったいないというか、あの素敵な景色をファンのみんなにも見せてあげたいです。
テラシマ:“α”なら、その光景を、会場に来れなかったファンのみんなにも届けてあげられるね。
—BiSらしい、いろんなアイデアがじゃんじゃん出てきますね(笑)。こうやって普段も音楽やミュージックビデオを作っているんですか?
ヒラノ:そうですね、みんなでいろいろ相談しながら作っていくことが多いです。全然まとまらないときもあるけど、やっぱりメンバーのアイデアにメンバー同士が刺激されていると思います。ファンの方に自分たちのことを写真でどう撮れば伝わるだろうって考えることも、アイデアづくりには活かされていて、そういう積み重ねがライブやミュージックビデオに活きているのかもしれません。
プー・ルイ:ファンのみなさんに会えるライブが年末もたくさんあるし、来年の3月には両国国技館でワンマンライブがあるんです。そういうライブの雰囲気だったり、バックステージや普段の私たちの活動を伝えたり、知ってもらうために、写真はとても大切な存在だし、これからも、もっともっとBiSのことを知ってほしいです。ライブやミュージックビデオでますます成長していくBiSを見せられるように努力していきたいし、BiSがますますクリエイティブなアイドルになるために、カメラは必要不可欠なものだと思っています。